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『配偶者に対する相続税額の軽減』で気を付けるべきこと

2011/07/19
こんにちは。

相続税の計算において、配偶者はたいへん優遇されております。

という特例により、法定相続分か、それ以上であっても1億6,000万円までの財産を相続する場合、税金がかからないこととなっております。

そのため、お子さんへの相続について、母親へ経由してから相続したほうが(一度ある程度の財産を母親へ相続してから、母親の死亡時に子へ当該財産を相続させるということ)、トータルとして節税になるケースが考えられます。


しかしながら、勘違いされるケースとして、母親の『配偶者に対する相続税額の軽減』に係る1億6,000万円という軽減枠を可能な限り利用したほうが、節税になると思われるかもしれません。

実は、母親が一次相続で法定相続分以上の相続をする場合、逆に増税となる可能性があります。

一例として、父、母、子1人で、父が亡くなった場合の相続を考えると、

土地・建物  1億円
その他現金等 1億円

の場合、

〈ケース1〉 

父⇒子へ  土地・建物 1億円  その他現金等 1億円

の全て相続させた場合

相続税  2,500万円


の相続税が発生します。


〈ケース2〉 

父⇒子へ 土地・建物  1億円    
父⇒母へ その他現金等 1億円

を相続させて、その後二次相続として、

母⇒子へ その他現金等 1億円(母はその他財産を有していないと仮定)

を相続させた場合、

一次相続税額 1,250万円 二次相続税額 600万円 トータルでおよそ 1,850万円

の相続税が発生することになります。ケース1より節税となりました。


次に

〈ケース3〉

父⇒母へ 土地・建物  1億円  その他現金等 5,000万円 
父⇒子へ その他現金等 5,000万円

を相続させ、

二次相続として

母⇒子へ 土地・建物 1億円  その他現金等 5,000万円(母はその他財産を有していないと仮定)

を相続させた場合、

一次相続では『配偶者に対する相続税額の軽減』により母は1億6,000万円まで相続財産に税金がかからないため、当該ケースでは税金がかかりません。

子に対してのみ、625万円の相続税が発生します。

しかし、子への二次相続では2,000万円の相続税が発生することになってしまうのです。トータルで2,625万円で、ケース1、2より増税となってしまいました。


理由としては、二次相続時に法定相続人が少なくなっていることで、相続税率が高くなってしまうことなどがあります。


財産や、法定相続人の数により有効な節税プランは千差万別です。

加えて、今後大幅な相続税法の改正も見込まれますので、必要に応じて専門家にご相談下さい。


 

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